ライン川のゆくえ [ドイツ]
旅の途中、 今ドイツにいるんだなぁ・・・・ としみじみ思っていたのは
壮大な教会にいる時でも旧市街の石畳の道を歩いてる時でもなくて
どういうわけか、古い電車のちょっとくたびれたコンパートメントの中。
窓の外は豊かに流れるライン川。
古城が登場しては去ってゆく…
伝統的な木組みの家とラインの古城という、写真撮影推奨的景色が続くのに、
またまたお城の名前は確認できない始末…
ここはどこ?
この時は少し天気が悪く、しょぼしょぼと降り続く弱い雨は
街をさらに古風に霞ませて、ちょっとしんみりした気分になりました。
そういえばこの辺の家は赤い屋根じゃなかったです。
ライン川はなかなか豪快な川で、日本でのような広い河川敷もなく、
川の淵ぎりぎりまで茶色い水が滔々と流れて凄い勢い。
関東だと海も近くなった広い多摩川が、
大雨の直後に河川敷を埋め尽くして、轟々と流れる様に似ている。
たぶんグーテンフェルス城
マインツ~コブレンツは船で観光された人も多いと思います。
ライン川沿いの古城も、歴史をたどれば何やら血まみれた
残酷な話が出てくるようなので
あまり深く追求せずに風情だけ楽しむ方が幸せだったりして・・・と思ったり。
猫城だのネズミ城だの名前はかわいいですよね。
ケルン。
ライン川の源流はスイスアルプス。
リヒテンシュタイン・オーストリア・ドイツ・フランスを通過して
オランダから北海に注いでいく大河。
かなり上流まで巨大な船が航行する、西ヨーロッパの重要な交通路です。
世界遺産に指定されている区間は両岸に崖や丘が迫り、
川幅はライン川の中でも一番狭い所なんだそうです。
ここはデュッセルドルフ。
ドイツではライン川は男性名詞なんだそうです。
ここはちょっとドイツ語やフランス語を勉強する際の難関のひとつ
男性名詞、女性名詞、中性名詞の壁ですが
ライン川は男性、
ドイツを通るもうひとつの大河、ドナウ川は女性名詞なんだそうで…
む、、むずかしいですね
ドナウ川の方がライン川より長大らしいのに、
どこか違う雰囲気があるんでしょうか。
ちなみにフランスのセーヌ川は女性名詞とか。
こちらはイメージ通り。 実物は見たことないけど^^;
ちなみにエルベ川は女性、マイン川は男性名詞。もう何がなにやら……
旅も終わりに近づいてきました。
ローレライの岩伝説より、
ハインリッヒ・ハイネの詩のさわり
いにしえの語り伝えが 心について離れない
風ひえて たそがれを しずかにラインは流れゆき
沈む日に照りはえて かの頂きはかがやきたつ
シャガールの青いステンドグラス [ドイツ]
シャガールのステンドグラスを見にマインツへ。
今回のドイツ旅行の私的メインイベントです。
そのステンドグラスのあるのは、聖シュテファン教会(St.Stephanskirche)
マインツ中央駅から徒歩で約15分
この噴水のある Schiller-platz から、右手の坂を上っていくと左側にありました。
古い歴史を持つ教会だそうですが、第二次大戦で破壊され、今の建物は戦後のものだそうです。
そのせいか内部は他の教会と比べてもごくシンプルで、装飾もほとんどなかったように思います。
その分、シャガールのステンドグラスの青い、優しい光が全体をつつんでいました。
本当に、扉を開けた瞬間に惹き込まれるというのはこういうことなのでしょうか。
正面聖堂、側面、後ろと、ほぼ全ての窓にシャガールのステンドグラスがはめられていて
青い青い世界に浸ることができました。
かなりの長寿だった(1887-1985)シャガールの晩年の作品で、
86歳頃から10年の歳月をかけて製作されたそうです。
結構知られた教会のようで、人はまあまあ多かったです。
日本人には会いませんでしたが、外国人(ドイツ人以外)も多かったようです。
写真をひたすら撮っている人、一人で静かに浸っている人
祈りをささげている人、さまざまでしたが、
それでも、静かなことに救われました。
この青い空間に入ったら、誰でも静かな心になれそうです…。